2025/07/27 10:54
新作能
現代社会に疲弊した若者(旅人)が長崎に行き着く。平和公園で一人の青年(郵便配達人)に声をかけると、郵便配達人は平和像の謂れと、先の大戦で無辜の民が多く犠牲になったことを語る。原爆が落ちた様、谷口スミテルが生き残ったことを語り、稲佐山で待っていると言い残すと消え失せる。【中入】稲佐山の子どもたちと遊ぶ者(ところの者) が現れ、スミテルが生きる者へ勇気を与えたことを語る。旅人が稲佐山で仮寝すると、スミテルの霊が神(東神)となって現れ、人は皆、神の子であるからあきらめてはいけないと論す。ピーター・タウンゼンドの霊も神(西神)となって現れる。【弥栄之舞】 一人一人の想念が顕わになって未来をつくる。平和を求める心を伝承し、陰と陽、東西が和合した弥栄の世をつくる姿をみせる。
能面 創作面制作:大月光勲 撮影:山崎兼慈
新作能 長崎の郵便配達 (大倉正之助作)
長崎の被爆地を舞台にして、被爆者谷口稜曄の体験とピーター・タウンゼンドとの交流を基に、核廃絶の願いと和合を説く。
静謐な能の表現で諦めない心と平和の尊さを訴える。
映画 長崎の郵便配達(監督・撮影:川瀬美香)
ドキュメンタリー映画『長崎の郵便配達』(2022年8月5日公開)は、長崎の被爆者で ある谷口稜曄(すみてる)氏と英国人ジャーナリスト、ピーター・タウンゼンド氏の交流を軸に、平和への願いを未来に繋ぐ作品。1945年8月9日、16歳で郵便配達中に披爆した谷口氏は、背中に大やけどを負いながらも奇跡的に
生還し、生涯を通じて核廃絶を訴えた。一方、第二次世界大戦の英雄で、マーガレット王女との恋愛が『ローマの休日』の モチーフともいわれるタウンゼンド氏は、ジャーナリストとして谷口氏を取材。1982年、フィクション小説『THE POSTMAN OF NAGASAKI」を出版した。本作タウンゼンド氏の娘で女優の
イザベル・タウンゼンド氏が父の残した取材テープや著書を頼りに 2018年の長崎を訪れ、その足跡を辿る。谷口氏の壮絶な体験と二人の絆を静かな映像美で描き、戦争の悲劇と人間の強さを浮き彫りにし、若い世代に平和の尊さを伝える。
2025年8月8日 金 森本能舞台 福岡県福岡市中央区警固3-8-1 電話:092-711-8888 16時開始
2025年8月9日 土 沼名前神社能舞台 広島県福山市鞆町後地1225 16時開始